こんにちは。yuzu(@yuzu_happysmile)です。
先日紹介した「【2020年の株式相場は上昇するのか!?】今年の市場を予測してみた!」の記事を読んだ方から、不況になるときにはどう備えたらよいかという相談を受けました。
一般的には「株が買いの時は債権を売り、株が売りの時は債権を買え」という話がありますが、現在は株も債権も連動しており、また債権の金利が非常に低い状況であるため、債権を購入しづらい状況です。
老後のために2,000万円を作らなければいけない、若い人であれば年金が受給額の減少や受給時期の遅れを考えた場合、もっと必要になる可能性が高いです。
このような世の中で生き抜いていくために、布教も見据えて株式投資をする上で、業種ごとの株価予想を考えていきたいと思います。
Contents
業種別(セクター)の特徴
セクターの概要
世の中には銘柄が多く存在しており、全ての銘柄をひとつひとつ追い続けるのは現実的には不可能です。
そのために、日経平均株価やTOPICなど様々な指標が存在しています。
そのひとつにセクターという考え方があり、業種別にカテゴライズされた見方があります。
セクターをみていく時には「ディフェンシブ銘柄」と「シクリカル銘柄」があります。
- ディフェンシブ銘柄:景気による影響を受けにくい銘柄や業種(内需株)
- シクリカル銘柄:景気による影響を受けやすい銘柄や業種(景気敏感株)
ディフェンシブ銘柄は業績が景気に影響を受けにくい業種となっています。
具体的には、「電力・ガス業」「陸運業」「通信業」「医療品」「食料品」などが当てはまります。
一般的には、
- 配当利回りが高い
- 値下げ幅が小さく負けにくい
- 値上がり幅も小さいためキャピタルゲインが得にくい
というような特徴を持っています。
シクリカル銘柄は業績が景気に影響を受けやすい業種となっています。
具体的には、「化学」「輸送用機器」「鉄鋼」「電気機器」「精密機械」「銀行」などが当てはまります。
一般的には、
- 値上がり幅が大きいためキャピタルゲインを得やすい
- 値下がり幅が大きく負けが大きくなる
というような特徴を持っています。
一概にどちらの銘柄がよいというのはありませんが、セクターごとに特徴が異なるという背景を理解した上で、検討をしましょう。
ディフェンシブ銘柄やシクリカル銘柄の詳細が気になる方はこちらをご覧ください。
各セクターの値動き
各セクターごとの値動きについて、日経新聞社の36のカテゴリでみていきます。
値動きの評価基準として、日経平均株価を利用します。
日経平均株価はこの1年でみると、2019年1月29日が20,664円で2020年1月28日が23,215円ということで+12%のプラスとなります。

この1年において、値上がりの大きかった銘柄と下落の大きかった銘柄をそれぞれ5銘柄みていきます。
■値上がり銘柄ベスト5(直近1年)
業種(セクター) | 値上がり率 |
精密機器 | 51.1% |
電気機器 | 33.8% |
通信 | 27.3% |
機械 | 24.4% |
その他製造 | 23.7% |
■値下がり銘柄ワースト5(直近1年)
業種(セクター) | 値上がり率 |
造船 | -31.3% |
電力 | -22.8% |
石油・石炭 | -19.9% |
保険 | -15.9% |
空運 | -13.9% |
値上がり率が最も高いのは精密機器になります。

上図でみても、特に昨年度下期から右肩上がりで伸びていることがわかります。
精密機器の代表的な銘柄としては、<7741> HOYA、<4543> テルモ、<7733> オリンパスなどがあげられます。
精密機器市場は約5兆5,000億円ほどの市場規模で、12年より少しずつ右肩上がりで推移しています。
精密機器には医療機器や時計、計測機器分野が該当しますが、今後の高齢化を見据えた際に、医療機器分野の成長が大きく見込まれます。
精密機器の中でも、ディフェンシブ銘柄とシクリカル銘柄に近いものが混在していることがわかります。
次に値上がり率が高いのがシクリカル銘柄である電気機器です。

日経平均と比較して、一年を通して好調に推移していることがわかります。
電気機器の代表的な銘柄としては、<6748> ソニー、<6861> キーエンス、<6981> 村田製作所 などがあります。
どの企業も好景気になることで、経済がまわり業績が上がる企業群です。
ここ1年で値下がりが最も大きいのは造船です。

造船の代表的な銘柄としては、<7012> 川崎重工、<7003> 三井E&Sホールディングスなどがあります。
本指標は時価総額が大きな銘柄に起因するところが大きく、ほとんどの要因として川崎重工が右肩下がりで株価が下がっていることが要因となります。
ちなみに、5年間の株価をみてみると、下図でわかるように右肩下がりになっていることがわかります。

川崎重工の株価が下図ですが、造船のセクターの株価と同様な動きを示しており、ほとんどが川崎重工による影響となります。

不況に備えて買うべきカテゴリは
オリンピック以降の景気について
オリンピックが開催された国の多くは無理な公共投資などの影響で翌年に不景気がくることがあります。
日本においては、1964年のオリンピック以降は深刻な不景気に見舞われました。
今回のオリンピックにおいては、オリンピックが要因による不景気になる可能性は低いものだと思われます。
これは、今回のオリンピックに向けた投資が3兆円ほどであり、現在の歳出が約100兆円であることからみても、全体の3%ほどであり、前回のオリンピックと比較すると、ウェイトが低いとみることができます。
オリンピック後の景気予測については詳細がきになる方はこちらをご覧ください。
オリンピックによる影響は限定的だと思われるものの、オリンピックまで景気が良い状態に見せたいために政府および日銀が株式や債権の購入を進めており、財政悪化の一歩を辿っています。
2013年から続く超金融緩和の影響は必ずどこかで出てきます。
それが、オリンピック後に起きるのか、それとも新円切り替え(2024年)に起きるのか、はたまたもっと先なのかはわかりませんが、非常に苦しい財政状況であることに変わりはありません。
超金融緩和からみる2020年以降の日本経済について詳細が気になる方はこちらをご覧ください。
悲観的に捉えたいわけではありませんが、オリンピック以降の日本経済においては少子高齢化や人口減少などネガティブな要素が多いことから、一気に不景気に陥る可能性も秘めていると考えられます。
とはいえ、世界経済でみると世界のリーダーを決めるアメリカ大統領選挙が2020年11月にあることから、トランプ大統領としては、選挙までは必ず景気を保ちたいと考えることから、今年中は景気が持つのではという考えもあると思われます。
実際、2020年の年明け早々イラン問題があり、一時は第三次世界大戦が始まるのではと騒がれ、株式相場も一時的な値下がりを見せたものの既に回復しており、相場はかなり強いものとみられます。
不況に備えて購入すべき銘柄
オリンピック後に必ず不況がくるとは限りませんが、不況を見据えた上でのポートフォリオ作りをしておくことに越したことはありません。
不況に備えた戦略としては、3つの戦略を検討しましょう。
- ディフェンシブ銘柄の比率を高める
- 相場下落後の購入のための銘柄選定
- 米国株の比率を高める
となります。
ディフェンシブ銘柄の比率を高める
不景気になることを見据えて、株式のポートフォリオを見直しましょう。
不景気時にも安定した株式投資を実現するために、お金の退避先になり、かつ景気動向の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄の比率を高めましょう。
日本においては世界にも稀に見るスピードで少子高齢化が進んでいきます。
医療分野の需要は年々高まり、また日本で開発されたものやサービスを世界に展開していける可能性もある少ない分野です。
少子高齢化が進むと行っても急激に1年、2年で変わるわけではありません。
少子化についても徐々に変化が現れていくものです。
内需株に資産を寄せて、景気影響を受けにくくしましょう。
その際には配当金も踏まえて、ポートフォリオを組み直しましょう。
相場下落後の購入のための銘柄選定
不況に備えて購入すべき銘柄と題していますが、「買わない」という選択肢ももちろんあります。
株式においては「安い時に買って、高い時に売る」というのが基本的な方針です。
基本方針を守ろうとするならば、不況に陥って株価がそこをついた時に、怖さに負けずに買い足すということをする必要があります。
怖さに負けずと書きましたが、どこまで下がるかわからない、また本当に上がるかわからない状況下で株を購入することは多くの方にとって怖いと感じるものです。
実際にそのような状況になった時に、探し始めるのではなく、事前に銘柄を絞り込み、自身でルールを決めた上で、売り買いができるように事前準備をしましょう。
米国株の比率を高める
日本株以外の景気の好調な株式を購入するという手もあります。
「必ず米国株が安全だ」ということはもちろんいえませんが、NWダウは過去最高額をつけている状況もあることや11月に大統領選挙があることから、これからも市場としては強いものだと考えられます。
オリンピックを見据えた時には、一時的な資産の回避先としての選択肢としては十分に考えられるものだと思います。
また、好調な市場に資産を動かすという観点でいえば、金など安全資産の比率をあげるというのもひとつの手ではあります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
不景気がくる可能性が高い状況のなかで、ご自身の資産を失ってしまわないように、景気に連動する資産と連動しない資産の比率を見直すことで、資産を守りましょう。