【リーマンショックはなぜ起きたのか】リーマンショックから読み解く日本経済の停滞とは!?

リーマンショック



投資への興味に関わらず「リーマンショック」という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。

株式投資をされていた方にとっては苦い思い出となっている方も多いと思いますし、その反面底値で株式を購入し、高値で売りさばけた方も多くおられるのではないでしょうか。

今回リーマンショックがなぜ起きたのかを読み解くとともに、今後投資をしていく上で気をつけるべきことを紹介したいと思います。

リーマンショックとは!?

リーマンショックとは、2008年9月15日に、アメリカの投資銀行である「リーマン・ブラザーズ」が経営破綻したことに端を発して、世界的な金融危機を発生したことをさします。

2008年9月15日の日経平均は11,600円ほどでしたが、2018年10月26日には7,162円と1ヶ月ほどで4,000円以上の下落をしました


そもそもリーマン・ブラザーズは2008年当時米国第4位の規模を持つ巨大証券会社・名門投資銀行でした。

  • 売上高:590億ドル(2007年度)
  • 総資産:6,910億ドル(2007年11月)


と数字が大きすぎてわかりずらいので日本の大手証券会社「野村證券」と比較すると売上高は約9倍、総資産は約5倍ほどの規模となります。
※2017年度実績で比較

巨大企業であるリーマン・ブラザーズでしたが、サブプライム問題をきっかけに経営が行き詰まり破綻を余儀なくされました。
負債総額は約64兆円というアメリカ市場最大の倒産になり、世界的連鎖的な経済危機を招きました。

リーマンショックが起きた原因は!?

リーマンショックが発生した原因を順をおって、振り返りたいと思います。

サブプライムローン利用者の増加

そもそもサブプライムローンとは、通常のローンが組めない低所得者向けの住宅ローンで、通常のローンよりも金利が高めに設定されています。
※プライム層は優良客をさします

米国では2004年頃から不動産ブームを背景に、住宅を担保とすることで所得が低い人や定職に付いていない人でもサブプライムローンを利用することで簡単にローンを組むことができました。

なぜ貸し倒しが発生するリスクが高い低所得者への貸し出しが進んだのか!?


と思われると思いますが、当時不動産価格は右肩上がりに上がり続けていくと思われていたため、証券会社は返済が可能な人からは高金利で貸付金の返済を受け、返済が滞った場合は、値上がりしている不動産を購入時より高い価格で売却することでノーリスクで儲けることができると考えられていました。

このため多くの会社がこぞってサブプライムローンで貸付を実施しました。

不動産ブームの到来

サブプライムローンで不動産ブームに火がつきましたが、更に加速度的にブームを推進することになったのが、債券(MBS)の取り扱いです。

債券とは貸付したお金を返してもらう権利のことをさします。

証券会社としては更に貸付を行うためにお金が欲しいため、また債券を持ち続けるリスクを軽減させるために投資銀行に販売をしました。

投資銀行は高い金利や不動産価格上昇するという読みからローリスクハイリターンな商材ということで債権の購入を促進させました。

これにより更にサブプライムローンの貸付が進み、不動産ブームに火がつきました。

投資銀行のリスクヘッジ

投資銀行も債券を持ち続けるのはリスクがあります。
そこで、他の金融商材と一緒に、債券(サブプライム証券(CDO))の販売をはじめました

サブプライム証券ですが、不動産価格の上昇が後押しして、格付け会社(ムーディーズ等)よりAAAの高評価を受けました


高い利子が受け取ることができるサブプライム証券は世界中の投資家や銀行、ヘッジファンドから大変巨額の資金がなだれ込みました。

不動産バブルの崩壊

バブルはいつか弾けるもの
サブプライムローンは通常よりもローンが高めとお伝えしましたが、はじめから高金利な訳ではなく、徐々に金利が上昇し返済額が増えていく仕組みでした。

金利が上昇していくことで、支払いが滞る人が増加し、住宅を差し押さえられる人も急増しました。

ちなみにサブプライムローンは具体的に以下のような信用情報の低い人向けのローンでした。

  • 所得に対する借り入れが50パーセント以上
  • 過去1年間に30日間の延滞が2回以上あった
  • 過去5年以内に破産したもの

今考えれば、最初からかなり無理のあるローンだったのに、バブルって怖いですね


サブプライムローンの支払い延滞者の増加とともに、2004年頃より住宅バブルの行き過ぎを懸念して、米国の中央銀行の役割をもつFRBが徐々に金利を引き上げていったことで、結果的に住宅価格が下落しました


これは金利上昇に伴い、住宅価格の下落を招き、住宅価格が下落することで、住宅価格が上昇することを見込んでサブプライムローンを組んだ住宅購入をした負債者が住宅を売却してもローンを支払い続けても損をする状態になったため、債権者の返済が滞り、不良債権が増加しました。

証券会社は不良債権を少しでも売り切ろうとより不動産価格を減少下げていき、これがさらに不動産価格の下落につながり、売却しても投資を回収できない負のスパイラルに陥ってしまいました。

サブプライムローンの破綻

住宅価格が暴落したことで、サブプライムローンは破綻を迎えます。

サブプライム証券を購入したいた投資家は資産を失うとともに、他の金融商材と一緒に販売をしていたため、もしかしたら自分が購入した商品にもサブプライム証券が入っているんじゃないかと不安が蔓延し、一気に売却が進み、買い手がつかない状況となっていきました。

この時サブプライムローンを取り扱っていたリーマン・ブラザーズは経営が悪化し、倒産に追い込まれました。また、リーマン・ブラザーズから融資を受けていた会社も芋づる式で倒産することとなりました。

リーマン・ブラザーズが倒産したことをきっかけに、世界経済の中心であるアメリカの市場が深刻な状態となり、世界的な金融危機であるリーマンショックを引き起こします。

リーマンショックの日本への影響は!?

日本においてリーマンショックの影響からの回復には5年かかったと言われます。

先にアメリカの話をすると、リーマンショック後にアメリカの中央銀行であるFRBが大幅な金融緩和を行うことで約2年でリーマンショック前のNWダウ価格に戻っています。

日本の場合は、2009年に民主党への政権交代や2011年の東日本大震災などの影響もあり、日経平均が回復したのは2013年頃でした。


サブプライム証券やリーマン・ブラザーズの株が含まれた金融商材(CDO)を購入していたことによる損失も出ています。

有名なのは2009年にソフトバンクが750億円の損失計上しています。
これは2006年にボーダフォン日本法人を買収した際に750億円の社債を発行し、そのお金でCDOを購入していたものです。

この話で伝えたかったのは、同じようにCDOを購入しているものの世の中に公表できていない会社が多く存在していることです。

みなさん、世の中ではアベノミクスで好景気と言われていますが、実感は全くないですよね!?


これは、CDOを購入していてソフトバンクと同じように損失を出した企業が多く存在しており、今もダメージを与えているためです。

ソフトバンクは本業での利益が潤沢にあるため、750億の損失を吸収できるため、公表する形をとりましたが、多くの企業は公表すると自社株価への影響もあるため、公表することもできず、ある日突然巨額の損失を計上して倒産する恐れがあります。

第二リーマンショックは再来するのか!?

数年前から騒がれているのはドイツ最大のメガバンクであるドイツ銀行が危機的状況にあることです。

ドイツ銀行という名前ではありますが、中央銀行の役割を持っているわけではなく、あくまで民間の銀行となります。
※ドイツは独自通貨を持っておらず、ドイツにとっての中央銀行は欧州中央銀行がその役割を担っています。

ドイツ銀行が危機的な状態になっている要因は複数ありますが、2015年にLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)など主要金利の不正操作問題で25億ドルの制裁金の支払いが命じられました。

また、翌年2016年にはアメリカでの住宅ローン担保険書(MBS)の不正販売問題で72億ドルの支払いが命じられました。

さらに日本と同じように超低金利政策の長期化やインターネットバンクの発展に伴い、銀行業界は弱体化の一途を辿っています。

最近になりドイツ銀行が全世界9万人の従業員から最大で2万人の人員削減を図るとの報道もされており、従業員の20%ほどがリストラされる可能性があります。

当然のことながらドイツ銀行の株価は急落をしており、アメリカ市場において2007年リーマン・ショック前の株価に対して20分の1ほどの株価に下落しています。
ちなみにNWダウ平均は順調に成長しているため、事の重大さがわかります。

状況だけ見るといつ倒産してもおかしくない状況となっていると思われます


ドイツ銀行が破綻した場合、2008年リーマン・ブラザーズの破綻の時のように第二のリーマンショックが発生するリスクを大いに含んでいる状況です。

まとめ

リーマン・ショックから約10年。

不況は8年〜10年ほどでやってくるというのが通説であることを踏まえると、そろそろ何か世界的な金融危機が発生してもおかしくない状況となっています。

株価の暴落が発生した場合、短期で取り返そうとしても、市場が全く読めないため失敗してしまうリスクがかなり高くなります。

長期的な目線で見た場合、今までの情勢では市場は必ず回復をしてきているため、長い目で投資を考えることが非常に大切です。
同時にリスク分散をさせることも非常に大切なことです。


とはいえ、今後の日本の年金制度等を考えた際には、自分で資産を形成し生きていく力を身につけていく必要があります。

リスクはいつのタイミングでもありますが、まずはリスクが少ないものから少しずつ投資に慣れていくことをおすすめします。

初心者のかた向けの投資術はこちらにまとめています。