こんにちは。yuzu(@yuzu_happysmile)です。
「突然ですが、皆さんの給料は毎年増えていますか!?」
もし、増えていると答えた方は少数派の方だと思います。
こう断言できるのは、日本の名目GDPが1995年頃からほとんど伸びていないからです。
これだけでお伝えしてもよくわからないと思いますので、日本のGDPについてまた、世界各国のGDPについて、そこから読み解く給料所得について考えていきましょう。
Contents
GDPから読み解く日本の経済

名目GDPと実質GDPとは
そもそもGDPとは何かから読み解いていきたいと思います。
GDPとはGross Domestic Productの略語で、日本語では国内総生産と呼ばれています。
これは、一定期間に国内で新たに生み出されたサービスやモノの付加価値の合計をさします。この時、原材料や間接費用など中間投入された費用を控除したものがGDPとなります。
GDPの伸び率が「経済成長率」を示し、GDPが拡大すれば経済成長率はプラスになります。
GDPには「名目GDP」と「実質GDP」の2つがあります。
- 名目GDP:生産額を単純に足し合わせたもの
- 実質GDP:インフレなど景気による変動を加味したもの
があります。
これ以降ですが、よく比較として利用される名目GDPをベースに読み解いていきたいと思います。
日本の名目GDPの推移
日本の名目GDPは年度による変動はあるもののおおよそ500兆円前後で推移をしています。
経済を読み解く際にはこの数字を知っておくと、他国の状況をすぐに理解できるので、知っておいて便利な数字です。

2008年からはリーマンショックの影響で名目GDPは減少していますが、2015には元の水準まで持ち直してきています。
世界の名目GDPの推移
世界各国の名目GDPを読み解くことで日本のGDPの推移がどういう状態であるのかみていきたいと思います。
下図は各国の名目GDPの推移を表しています。
※図はそれぞれ同じものを表しており、表記を見やすいように2パターンで表しています。


日本は灰色の部分になっていますが、貨幣をドルベースで見た時には、ほとんど名目GDPは伸びていないことが見て取れます。
それに引き換えアメリカは堅調に伸び続けており、2018年においては約22兆円ほどに到達をしており、年々差が開いていることがわかります。
また、10年ほど前に中国に名目GDPが抜かれたとニュースになっていましたが、現在では3倍近くの差が生じており、数年後にはアメリカのGDPを抜いて世界1位になることも予想されるほどです。
世界各国の推移から見て取れるように日本はここ15年以上経済が成長していない状況であることが見て取れます。
GDPから読み解く日本の給料
日本の平均年収の推移

民間給与実態調査による平均年収はここ10年ほどおよそ400万から440万ほどで推移しており、全く上がっていない状況です。
この数字には現れていませんが、年収は高所得の人と低所得の人に2極化が進んでいます。
これは非正規雇用の人が増えることで低所得者が増加する一方で、一部の正規雇用者の給与はどんどん伸びていることが隠れています。
色々と裏事情はあるものの、現実的に平均年収は伸びていない状況です。
「突然ですが、皆さんの給料は毎年増えていますか!?」
と冒頭で聞きましたが、ここからも給料が右肩上がりで伸びている人は本当に一握りの人であることがわかります。
GDPにおける給料推移
GDPからも給料水準を読み解いていくことができます。
下図は国民所得と名目GDPに対する比率を示しています。
下図からわかるように、国民所得は名目GDPに対して、約70%前後で推移していることがわかります。

国民所得には、雇用者報酬、財産所得、企業所得が含まれており、この中で雇用者報酬は以下の内訳になっています。

雇用者報酬ですが、GDP比率でみると約50%前後で推移していることがわかります。
ここでお伝えしたかったことは、雇用者の報酬はGDP比率に対して一定の比率で分配されていることです。
そのため、名目GDPが増加しないことには、給料所得も伸びていないということがすぐに見て取れてしまいます。
「突然ですが、皆さんの給料は毎年増えていますか!?」
という問いに関しては、名目GDPの伸びをみることでほとんど伸びていないことがわかるため、給料が伸びていないことがわかります。
GDPが伸びないことによる影響

海外渡航先でできることが減る
世界の各国はGDPの伸びとともに、給料と物価がどんどん上昇しています。
日本もバブル期においては、物価も上昇しましたが、それ以上に給料が伸びていったため、景気がよく感じたものです。
現在は好景気と言われていますが、物価も給料も上昇しておらず、むしろデフレ気味になっているほどです。
日本だとワンコイン(500円)でランチが楽しめますが、世界の先進国ではワンコインでは大したものを食べられる状況ではありません。
ここから読み取れることは、日本人は世界的にみるとどんどん貧乏になっているということです。
一昔前までは東南アジアに行けば物価が安いため、なんでもお得に買えたものですが、今後海外に行くとお得にものやことを楽しむことはどんどんできなくなっていくでしょう。
給料が伸びない
GDPが伸びないということは、これまでお話しした通り、給料が伸びないことになります。
日本はこれから世界でも稀に見る少子高齢化社会になります。
オリンピックまでは日銀の介入もあり、見た目の株価は保たれていきますが、オリンピック後の世の中においては、深刻な不景気やその後もなかなかGDPが伸びない世界となる可能性があります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
日本の給料が伸びているのか、いないのかをみるためには、名目GDPと推移をみることで読み解くことができます。
世界の各国がどんどん経済成長していく中で、日本は取り残されているのが現状です。
今まで通り給料所得だけで生き抜いていくことは困難になっていく世の中で、少しずつでも結構ですので、投資に目を向ける必要性が出てきています。
2019年に金融庁の報告書において、老後の生活で2,000万円が不足するという衝撃的なニュースもあったように、今後国からの支援はどんどん少なくなっていき、自身で生活できるようにしていく必要があります。
投資は1つの手段ではありますが、毛嫌いせずに、まずはどんなものであるか目を向けるようにしましょう。
投資初心者向けの投資の考え方については詳細が気になる方は、こちらをご覧ください。